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がっちり系レズ [dike / dyke]
【2018/01/09 12:58】
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風俗
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レズビアンというと、こんなふうな綺麗なお姉さんがふたりで絡み合っている図を思い浮かべるけど、それは特定の文化に毒された男の想像する妄想。別に綺麗でなくてもいいし、お姉さんでなくてもいいし、絡み合っていなくてもいい。レズだなんだって、あーだこーだ言う必要はない。そう思う。
それを踏まえたうえでのdike/dykeの訳だけど、これが案外難しいと感じた。上手く訳語を見つけることができず、単に「レズ」としか訳せなかった。「がっちり系レズ」も確実に意味を間違って伝えている。「男役のレズ」も間違いだと思う。あえて説明的に意味を言うとしたら、「男性的で逞しく、良く言えば頼りがいがある、悪く言えば強圧的なレズビアン。概して、侮辱するための表現」を呼ぶ言葉だと思う。イメージ的にはこんな感じ(wikipediaの画像)。
問題は、dike/dykeは普通「土手・側溝・防波堤・防壁」などを意味するのに、どうして、いかついレズビアンを指す意味を持つようになったか。もともとはbulldykerという語があって、それが短縮されてdike/dykeになった模様。bullは雄牛で、そこから男性的とか強圧的とかの意味が出てくる。dykeには「側溝・溝」の意味があるので、女性のアソコを「溝」ととらえての表現だと。でも、それだけだと、どうして単に「男性的な女性」の意味にならずに、「男性的なレズビアン」になるのか、筋道が通らない。
そこで持ち出されたのが、ギリシャ神話に出てくる両性具有者のヘルマフロディトス(Hermphordite)。英語での発音はハーマフォーダイト。最後の-ダイト(-dite)が-ダイク(-dike)と変化して、同性愛者の意味が加わるようになったという説がある。また別の説では、bullの意味が「雄牛」→「勇ましい」→「うわべだけ勇ましい」→「表面的なもの」→「偽物」の意味劣化を辿り、一方のdykeもdyke→dick(ディック:ペニス)の音的な類推が働いて、ふたつあわせてbulldykeが「偽物ちんぽ」の意味になり、「無駄に虚勢をはるレズビアン」の意味になったという。
どのような説をとるにせよ、この語には悪い意味しかなかったのだけれど、これも英語版wikiによると、最近は良い意味も持たされるようになっているという。それはこの単語に限定されず、かつてLGBT界隈で自虐的・侮辱的に使われていた言葉が、最近は、むしろ開き直って自信をもって使うようになっているという。いうなれば、「はいはい、あたしは、あんたたちが侮辱して言うdikeだわよ。で? それのどこが悪いの? 言ってみな? あんたたち、そんな言葉を使って、他の人を見下して、それで自分の立場が相対的に高くなったと自己暗示をかけてる無能な人間ですって言ってるようなもんでしょ? 人間的に程度が低いのはどっちなのよって話なのよ。バーカ!」っていう感じなのだろうと思う。こういう傾向は日本語でもこれから顕在化していくのではないかと思う(むしろ、顕在化してこなかったら、日本の社会が退化している証しだと思う)。
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