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背景を知らないと、「ガス燈」という言葉からは全く想像できない意味になるが、原語のgaslightは、動詞として用いられると、「巧みに仕掛けを用意して、(人に)自分は気がおかしくなっている、錯乱しているなどなどと思わせること」を意味する。心理学では「ガスライティング」という言葉で一般的になっているらしいが、知らなかった。
語源的には1930年代の映画「ガス燈」に由来する。この映画では、主人公のイングリッド・バーグマン扮する女性がスイスあたりで、とある男性と知り合い、結婚しイギリスで生活を始めるのだが、家ではガス燈が暗くなったりとか物音がしたりとか、何かと変なことが起きる。それを夫に訴えても、気のせいだとか、何も変わったことはないとかとあしらわれ、彼女は次第に「自分は気が変になっているのかも」と思い込むようになっていく。だが、実際はガス燈は暗くなっていたし、物音もしていた。つまり悪事をしている夫が妻に「自分は変になっている」と思わせていたということ。これが由来で、上記の他者に対する心理的な操作のことを「ガスライティング」と命名された。
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