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ジェンダーフルーイッド [gender fluid]
【2020/11/26 17:00】
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表現集
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自分のジェンダーについて「自分は男だ、女だ、中性だ、トランスジェンダーだ」などなどと自認する場合、通例は、ある一定の期間、場所を問わず、その自認が続くものと理解されがちであるけれども、中には、ある時間と場所では男となり、別の時間と場所では女となったりなどと、ジェンダー自認が流動的に変わる人もいる。ここでの「場所」とは、空間的な場所に加えて、社会的な場所(つまり職場、家庭、ネット内など)も含む。つまり時と場所に応じて、ジェンダーを自由に変えることが、自分にとっては最も自然と感じる人たちである。そのようなジェンダー観を持っている状態をジェンダーフルイッド(gender fluid)と言う。「フルーイッドfluid」とは「液体状態」のこと。すなわち「流動的」ということ。
下のイラストはHere's a beginner's guide to all things gender fluidからの借用。このページは分かりやすかった。
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人は、一貫して自分のアイデンティティを保持していなければならないと思い込むと、結構、生きづらい局面にぶち当たりやすいし、自由に(あるいは気ままに)活動しづらくなるものだ。「~らしさ」が常に付きまとうことになるから。「男らしく、女らしく」に始まって、「父親らしく」とか「母親らしく」とか「わが社の社員らしく」とか「教師らしく」とか「警官らしく」とか、果ては「社会人らしく」とか。そういう「~らしさ」が求められる時と場所では、それらしく振る舞い、別の時と場所では別の人間になって振る舞う。現実の自分とネット上の自分を使い分けるように。そういうふうに、複数の人間を時と場所によって使い分けることは、ブレるとか一貫性がないとかではなくて、むしろ自由に生きるためのごく普通に認められるべき生活様式なのじゃないかと思う。確か、平野啓一郎氏の言う「分人」って概念がそれなんだったな。
そういう考えで言うと、性別というかジェンダーも自由に変化するジェンダーフルーイッドが一番自然で拘束が少ないのかもしれない。
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ガス燈 [gaslight]
【2020/11/22 15:46】
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表現集
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背景を知らないと、「ガス燈」という言葉からは全く想像できない意味になるが、原語のgaslightは、動詞として用いられると、「巧みに仕掛けを用意して、(人に)自分は気がおかしくなっている、錯乱しているなどなどと思わせること」を意味する。心理学では「ガスライティング」という言葉で一般的になっているらしいが、知らなかった。
語源的には1930年代の映画「ガス燈」に由来する。この映画では、主人公のイングリッド・バーグマン扮する女性がスイスあたりで、とある男性と知り合い、結婚しイギリスで生活を始めるのだが、家ではガス燈が暗くなったりとか物音がしたりとか、何かと変なことが起きる。それを夫に訴えても、気のせいだとか、何も変わったことはないとかとあしらわれ、彼女は次第に「自分は気が変になっているのかも」と思い込むようになっていく。だが、実際はガス燈は暗くなっていたし、物音もしていた。つまり悪事をしている夫が妻に「自分は変になっている」と思わせていたということ。これが由来で、上記の他者に対する心理的な操作のことを「ガスライティング」と命名された。

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