映画「シュレック」は日本ではあまり受けなかったが、アメリカでは割と人気があった。そのひとつの要因にセリフが面白い(あるいは、大人受けする)ことがあったらしい。英語では面白みが分かるが、日本語に直すとピンとこないセリフ。これも、そのようなセリフのひとつ。シュレックとロバとの会話。
Shrek: For your information, there's a lot more to ogres than people think. シュレック:念のために言っておくけどな、怪物(オグル)には人が思うよりずっとたくさん奥深いものがあるんだよ。 Donkey: Example? ロバ:例えば? Shrek: Example... uh... ogres are like onions! シュレック:例か…そうだな…怪物はタマネギのようなもんだ! [holds up an onion, which Donkey sniffs] (タマネギを出す。ロバはその匂いを嗅ぐ) Donkey: They stink? ロバ:臭いとか? Shrek: Yes... No! シュレック:そうだ…いや、違う! Donkey: Oh, they make you cry? ロバ:じゃあ、人を泣かすとか? Shrek: No! シュレック:違う! Donkey: Oh, you leave 'em out in the sun, they get all brown, start sproutin' little white hairs... ロバ:じゃあ、日の当るところに置いておくと、茶色くなって、白いひげを生やし始めるとか? Shrek: [peels an onion] NO! Layers. Onions have layers. Ogres have layers. Onions have layers. You get it? We both have layers. シュレック:(タマネギを剥きながら)違う! 層だ。タマネギには層がある。怪物にも層がある。タマネギには層がある。分かったか? 怪物もタマネギも層があるんだ。 [walks off] (歩き去る) Donkey: Oh, you both have LAYERS. Oh. You know, not everybody like onions. What about cake? Everybody loves cake! ロバ:そうか、両方とも層があるのか。あ、知ってる? 誰もがタマネギを好きなわけじゃないよ。ケーキはどう? みんな、ケーキが好きだよ! Shrek: I don't care what everyone else likes! Ogres are not like cakes. シュレック:他の連中が何を好きかなんかどうでもいい。怪物はケーキとは違う。 Donkey: You know what ELSE everybody likes? Parfaits! Have you ever met a person, you say, "Let's get some parfait," they say, "Hell no, I don't like no parfait"? Parfaits are delicious! ロバ:他の人がみんな何を好きか知ってる? パフェだよ! あんたが「パフェを食いに行こう」と言って、「イヤだ、パフェなんか嫌いだ」って言う人に会ったことがある? ないだろ。パフェは美味しいよ! Shrek: NO! You dense, irritating, miniature beast of burden! Ogres are like onions! End of story! Bye-bye! See ya later. シュレック:ちがーう! この頭の鈍い、イライラする厄介者のチビめ! 怪物はタマネギのようなもんだ! 話しは終わり! じゃあな! またな! Donkey: Parfait's gotta be the most delicious thing on the whole damn planet! ロバ:パフェって、この地球で一番美味しいものなんだけどなあ!
途中、likeの意味のすれ違いがあって、そこも面白いかも。シュレックは「~に似ている」の意味でlikeを使ってるのに、ロバは「~を好き」の意味で使って、話しが逸れて行く。
それはともかく、問題の「怪物には層がある」(その点でタマネギと似ている)というのはどういう意味か? ネットで調べるとネイティブでもいろいろ意見が出ている模様。
ただ、標準的な解釈は、タマネギが幾層にもなっているのと同じく、怪物も単に外見だけでステレオタイプ的に判断してはならず、内面は幾層にもなっていて、奥が深いものだと伝えているという解釈らしい。
もうひとつは、タマネギは幾層にもなっていて、剥いても剥いても、ここがタマネギの本質だというところに辿りつかない。それと同じく怪物も本質にはなかなか辿りつけないものだ(だから表面的な理解はやめろ)と言うこととのこと。結局は、上記の標準的な解釈と同じになるかも。
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