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初めての言葉、初めての概念
 
     

アルファ・メイル [alpha male]  【2019/05/28 08:50】 表現集
アルファ・メイルとは、しいて訳せば「一流のオス」。動物の群れにおいて、最もメスの関心を惹きつけ、繁殖力が高く、群れの中で支配的な地位を占めるタイプのオスを言う。単に「アルファ」ということもある。逆に、アルファに対して従属的・劣性の立場になるオスはベータ・メイルと呼ばれる。

元々はサルや狼など動物社会での主従関係を表す用語だったようだけど、急速に、人間関係の描写にも拡張され、その用法の方が普通になっている模様。アルファ・メイルは、肉体的に逞しく、女性に対する性的アピールが優れ、支配的な性格を持った男性、いわば、「オスの中のオス」のような男性を表すのが一般的らしい。対して、ベータ・メイルは肉体的に劣り、女性を惹きつける魅力に乏しく、従属的な立場になる。いわば「寝取られる方」の男性になる。

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アルファ・メイルの典型的な画像:
alpha-male-e1401722511331_f_improf_597x313.jpg

女性版の「アルファ・フィーメイル」という言葉もでてきているけど、こちらの意味は「モテモテの女王様」のようなメスを言うのだろうか? 用例を見ても、いまいちはっきりとはつかめない。次のような画像があるけど。
alpha-female.jpg



いずれにせよ、アルファ・メイルなどの言葉は、この20年ほどで使われだした新語。米語のコーパスでの使用頻度を見せてくれるCOHA(Corpus of Historical American English)によると、Alpha maleの使用は次の画像の通り。

alpha male coha
80年代に2件、90年代15件、2000年代25件

一方のalpha femaleは次の通り。
alpha female coha
90年代4件、2000年代7件

ポルノもコーパスの資料に含めたら、もっと数字が変わるかもしれない。


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中国に届くまで [all the way to China]  【2019/05/21 12:08】 表現集
アメリカにいる人のイメージとしては、アメリカにとって地球の反対側は中国辺りになるらしい。例えばアメリカのどこかから、どんどん穴を掘っていくと、やがて中国にまで届いてしまうというイメージ。これはもちろん事実ではなく、そんな穴掘りが可能だとして、出口はどこかの海だろう。ともかく、「中国に届くまで(all the way to China)」は、穴などについて「奥深く掘る」ことの誇張表現になる。さらに、そのような具体的な穴掘りのイメージからの拡張として、「物事の真相究明」とか「事実の掘り下げ」などといった「隠れた部分を究明・掘り下げていく」という文脈でも使われている。

Urban Dictionaryによると、上記のような「(掘り下げていくと)隠れたところまで見せてしまう」というイメージの拡張からか、主に女性の服装について、性器周辺までも見せてしまう非常に露出的な服装などの描写にも使われるらしい。

もちろん、そういうマイルドにエロティックな流れで使われることが多いのだろうけれど、アタクシが翻訳してるような露骨なポルノでは、むしろ物理的な本来の意味の「穴の深堀り」でのほうが多いと思われる。

なお、同じくUrban Dictionaryによると、この表現ができた起源は映画「チャイナシンドローム」である。偶然メルトダウンを撮影してしまったジャーナリストとそれを隠そうとする当局側とのサスペンス映画。メルトダウン→メルトスルーしてやがては中国までというイメージ。この映画(1979年)の公開直後の14日後にスリーマイル島の原子力発電所事故が起き、7年後の1986年にチェルノブイリ事故が起き、その13年後の1999年に東海村で事故があり作業員2名が命を落とし、その12年後の2011年に福島第一原発の事故が起きる。「チャイナシンドローム」の主演はジェーン・フォンダ。この頃はバリバリの反体制女優で活躍していた。

福島第一原発と言えば、東日本大震災の時に東京公演中だったシンディー・ローパーが取った行動は、被災地の洋楽好きには胸を打たれたものだった。そんなシンディにも、all the way to Chinaと歌う曲がある。最初のサビのところまでの歌詞は、こんな感じ。
"Hole In My Heart (All The Way To China)"

I've got a ticket, no turning back (切符は買った、もう戻れない)
My destination... (行先はというと……)
The sea of trouble, the land of pain (トラブルだらけ、苦痛の土地)
You're sending me where it always rains (あなたはあたしをいつも雨が降ってるところに行かせる)
Oh reconsider, I'm begging you, some hesitation (考え直してよ、お願い、少しは躊躇って)
I'm holding on to my sanity (必死に正気でいようとしてる)
I feel the beginning of emergency (危機が迫ってるのを感じる)
My hands are slipping, oh please don't let me fall into (手が滑る。お願い、手を離さないで、落ちてしまう)

This hole in my heart that goes all the way to China (中国まで届く、心の中の穴に)
You gotta fill it up with love before I fall inside of... (私が落ちてしまう前に、あなたの愛でこの穴を満たして)
This empty hole in my heart that goes all the way to China (中国まで届く、心の空っぽの穴)
And though you can't see the bottom, believe me it's a long way down (底が見えないけど、分かってよ、そこが深いの)



シンディ・ローパーは良い人だ。


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脚を折ってしまえ [break a leg]  【2019/05/04 15:15】 表現集
Break a legとは、演技や舞踊などで舞台に上がる人に呼びかける応援の言葉。Good Luckの意味を表す。

舞台に上がる人に文字通りの意味で「脚を折ってしまえ」などと言うのは酷い言葉なわけだけど、演技などで、Good Luckと声をかけることは、縁起が悪いとされているらしい。むしろ逆の意味の言葉をかける方が演技が良いと。その由来は調べたけれど分からなかった。

ただ、わざと偽悪的な振る舞いや言葉を発することで応援や愛情を示すことはよくあることで、そういった心理が発生源かもしれない。例えば、病気で入院していた人が回復して退院してきたら、その親友が東京下町言葉で、「おめえなんか、死んでしまったらせいせいしたのによ。おめえが帰ってきて、また騒々しくなるぜ、この野郎!」とかいう、よくあるシーンみたいな。

「あなたの演技があまりに素晴らしく、こっちが嫉妬してしまい、悔しくて脚の骨でも折ってしまえばいいのにと言いたくなるくらいに頑張ってね」といった心理から出てきたのかも。

演技をする人に、わざと悪人の演技をして縁起の悪い言葉を言うことは縁起が良い、と。(←何言ってんだw)


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テーマ・バー [theme bar]  【2018/02/15 12:18】 表現集
特定のテーマにのって雰囲気を作り、そのテーマに関心のある客を集めようとするバー。"theme bars in Tokyo"で検索すると次のようなリストが出てくる。

Best theme bars in Tokyo
Tokyo best weird theme bars
10 theme restaurants and bars

とは言え、別にこれらのtheme barsを話題にしたいわけではなく、話題にしたいのは、themeという英語とそれに対応する日本語の話し(笑) themeの発音は「スィーム」に近いけど、もちろんthの部分はギリシャ語のθと同じく、上の歯と舌を使って摩擦させる音を出すこと。このthemeを「テーマ」と呼ぶのはドイツ語のThema由来と思われる。

だから、「テーマ」と言いつつ英語を使うのは必然的に和製英語になって、日本語環境で使われる表現になる。英語圏で使っても確実に分かってもらえなくなる。であるけど「テーマ」は、「テーマパーク」とか「テーマソング」とかかなり多くの表現で日本語に食い込んでいるので、そこが困りもの。いわば「ドイツ語と英語をくっつけてできたカタカナ日本語」なので、割としぶとく生き残ってきている語彙なのだった。



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トラップ [trap]  【2018/01/19 11:39】 表現集
trapは、もちろん「罠」(名詞)とか「罠をかける」(動詞)の意味の基本単語ではあるが、ここでの意味はそれではなく「女性化した男性」の意味になっている。紙媒体であれウェブ媒体でああれ普通の辞書には載っていない。新語が集められているUrban Dictionaryにこの用法の説明が投稿されていたので収録しておく。

引用

trap
A pre-op transwoman who is both passable and hot. The kind that, when you find she's packing heat, you just don't care.
How was I supposed to know she was a trap? Well, of course I banged her. She was hot. 「女として通るしセクシーでもある手術前のトランスジェンダーの男を言う。彼女が秘密兵器を持ってると分かったときでも、ソレがついていようがついていまいが、気にしないようなタイプ。例:彼女がトラップだなんてどうして俺に分かっただろう。ああ、もちろん、俺はやりまくったさ。いいオンナだったしな」


引用

trap
A man who dresses like a woman and is somewhat feminine in appearance. Could almost be mistaken for a woman until you are in the bedroom with one. Watch out for these types, they are usually afraid to get intimate because you might discover their little 'secret', but sooner or later you find out the truth! 「女性のような服装をし、外見上、どこか女性的な男を言う。一緒に寝室に入るまでは、ほぼ女性だと間違えることもあり得る。このようなタイプには気をつけろ。普通、彼らはその小さな『秘密』がバレるまでは親密になることを恐れるものだから。ただ、遅かれ早かれお前は真実を知ることにはなるのだけどな」


女性化した男性については「シシー(Sissy)」もあるが、「シシー」にせよ、この「トラップ」にせよ日本語訳を考えると、どうもしっくりくるものが思いつかない。「おかま」はダメすぎ。「オンナ男」という訳語を使ったこともあったけれど、これもダメすぎだと思う。「男の娘」という表現は卓越した素晴らしい表現だけど、訳語として使えるのか自信がない。難しいのでカタカナで誤魔化した。

「あんた、トラップ?」の画像:
0fbe20a1307010_full.jpg


reverse trap(リバース・トラップ)という表現もあるらしい。これはトラップの逆で「男とばかり思っていたけど実は女だった」という人の呼び方らしい。ピクシブで知りました。

「リバース・トラップのキャラクタ」:
4f3ce8ad3107860051c1e938467ffa2b--otaku-problems-maid-sama.jpg



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ラ・ラ・ラ・シス・ブーン・バー [rah rah rah sis boom bah]  【2016/03/16 16:39】 表現集
アメリカのチアリーダーたちの応援の掛け声。「ラ」(rah)は、hurrah(日本語では、「フレー、フレー、XXX」の「フレー」になる)からの略で「ラ」。その他の「シス」とか「ブーン」とかの意味は分からない。というか、意味はなく、単にリズムの感じがいいという理由での言葉かと思われる。

英語版のWikipediaによると、チアリーダなどによるリズミカルな応援の掛け声はアメリカで特に発展し、典型化してきた。ハーバードやイェールなどの東海岸の大学で使われ出したのが、広まったと述べている。そして1890年代にプリンストン大での「機関車的リズム」(最初はゆっくり、だんだん早口になっていくリズム)での掛け声が有名になったと。

Hip, hip!
Rah, rah, rah!
Tiger, tiger, tiger!
Siss, siss, siss!
Boom, boom, boom! Ah!
Princeton! Princeton! Princeton!





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コラテラル・ダメージ [collateral damage]  【2015/10/02 11:55】 表現集
直訳すれば、「副次的(派生的)なダメージ」。何のこっちゃ? とは思う。「副次的」ということは、主要じゃないわけだから、まあ、あまり大したことじゃないんだなと解釈しがちだし、「ダメージ」ということは、何か事を起こしたとして、そのコトを起こした主体がダメージを負ったのだなと解釈しがちになる。要するに、「何かコトを起こしたけど、あまり大したことじゃない、ちょっとした周辺的なダメージを負っちゃった」みたいな意味に解釈しちゃう。

だが、実際は、この言葉で表される事象は、このような意味の正反対のことであるのが普通。例えば、現代での戦闘行動を例に取ると、本来の戦争では、兵士間の戦闘行動に限定されるわけで、民間人を殺傷した場合、国際法に違反した行為になる。そう言った、戦闘行動で民間人の犠牲者を生んでしまった時、それら犠牲者のことを「コラテラル・ダメージ」という言葉で表すことが多い。

民間人を殺すわけだから、国際法や人道に反するものであり、決して、「副次的な、大したことじゃない」というものではない。また、被害を受けたのは民間人の方であるから、戦闘を行った軍や兵士の方が「ダメージ」を負ったわけでもない。責任は軍や兵士の方にある。

「副次的なダメージ」という言葉を使うことによって、コトの重大さ、責任の所在を曖昧模糊としたものに印象付けてしまうのである。

このような「言い換え」による印象操作は、政治関係ではよくあることで、例えば「武器輸出三原則」を「装備移転三原則」と言い換えたり、「残業してもお金は出さねえよ」といった効果を持つ法案を「ホワイトカラーエグゼンプション」と言ったりとか。戦闘に参加する可能性が格段に増える効果がある一連の法を「安全保障法案」と言うのも同じ。

どうして、意味に忠実な命名をしないのか。本来の意味と離れた意味を表す言葉を使うのか。ジョージ・オーウェルの「1984」が思い出される。



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ソープボックスから降りろ [get off your soapbox]  【2015/10/01 15:12】 表現集
ソープボックスはもちろん石鹸箱だが、浴室などに置いておく石鹸入れではなくて、もうちょっと大きめの箱を指している。日本語のイメージで言ったら「みかん箱」の方が正しい。

街路や公園などで、大きめの箱を地面に置いて、それを演台がわりにして、その上に乗り、何かを訴える演説を行う人がイメージできると思う。そのイメージの箱が、この表現での「ソープボックス」。例文としては、次のようなもの。

A lunatic stood on a soapbox, and was claiming that the world was coming to an end. (気のふれた者が石鹸箱の上に立ち、世界は終わりに近づいていると訴えていた)

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ヤッター、ヤッター、ヤッターマン [winner, winner, chicken dinner!]  【2015/09/01 11:42】 表現集
もちろんヤッターマンは、適当に日本での文化にあわせて当てはめただけの訳。原語のwinner, winner, chicken dinner!は、直訳すれば「勝った、勝った、チキンディナー!」で、何か勝負で命中させたり、賭け事で当たった時の勝利の雄たけびみたいな感じ。winnerとdinnerで韻を踏んでいるので、言いやすい。

なんでチキンディナーなのか? ビーフディナーやフィッシュディナーでないのか? Urban dictionaryという俗語のサイトによると、かつてラスベガスのカジノで勝者に2ドル程度のチキン(3ピース)をサービスしていたことに由来するとの話しが載っていた。この話しの真偽は分からない。

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ハサミ合わせ/貝合わせ [scissoring / tribbing]  【2014/10/17 15:04】 表現集
「ハサミ合わせ」という訳語はどこにもないように思う。英語のscissor「ハサミ」をそのまま使った訳語。ふたつのハサミの刃を交わらせるような形になること。

scissoring.jpg

シャカシャカと不愉快な音が聞こえてきそうだが、もちろん、ここの文脈ではハサミの刃を重ね合わせることはなく、もっと、湿ったにゅちゃくちゅくちゅとした音が聞こえてくるはず。レズビアンのふたりが行う行為のことである。

lesbian-scissoring.jpg

「貝合わせ」は日本語でのこれに対応する言葉。もちろん、いにしえの日本の遊戯としての貝合わせのことを言うのではなく、女性の股間のことをハマグリの貝に見立てた言葉。英語の方は、先のハサミのほか、tribbingという言葉があるらしい。tribすることということだが、じゃあ、このtribとは? と言うとtribadism「女性の同性愛」を短縮した言葉らしい。さらにtribadeとは何かと言うと、ギリシャ語での「擦る」という言葉を元にできた言葉らしい。要するに「擦り合い」ということか。



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